そんな地元での私の行きつけの店が「アリーズ・ケバブ・カフェ」(茨城県・土浦市)。イラン料理のお店です。この日は昼から予定があったので、中で食事はせずになつめやしとナーンをお持ち帰りしました。このナーンを少しご紹介。
■ナーン
イランにはタフトゥーンやバルバリなど様々な種類のナーンがあるそうで、焼き方もタンドール型の窯であったり、ピザ窯のようなもので焼かれていたり、映画「ハーフェズ ペルシャの詩」に出てきたような鉄板焼きであったりと様々なようです。
こちらのナーンは、ラヴァーシュとの違いが微妙でわからないのですが、特徴的な穴が所々に空けられていてそこそこの厚さもあるので、タフトゥーンなのかも知れません。
■帰宅する頃には薄い部分が乾燥して割れてしまいました
このナーン、塩味が微かに感じられる程度で、殆ど味がしないのが特徴です。
それでは物足りないのではと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、マヒチェやアーブグーシュトなど旨味たっぷりのトマトシチュー系料理、或いはキャバブ類と一緒に頂く際に、下手に塩味や甘味が効いたナーンでは料理の味を犠牲にしてしまう場合があるのです。
インド料理店で、プレーンナーンなのにパンケーキのように甘い(といったらオーバーですが)ナーンが出てくるお店がありますが、正直グレービーとの相性は微妙です……。
カウンターでスタッフの方とパーティーの打ち合わせをしながら、ナーンが焼かれる様子を観察してみました。
ナーンは窯ではなく、特殊なコンロの上に専用の網を置き、直火で焼かれます。原理自体は家庭でも出来そうな単純なものですが、絶妙な焼き具合になるように調理器具そのものが徹底した設計になっているそうで、見よう見真似でやってもなかなか同じような物は出来ません。
イラン料理には窯を使用する料理が殆どないためか、ナーンだけのために窯を導入する訳にも行かず、各店色々と工夫してナーンを焼いているようです。中にはトルティーヤをラヴァーシュとして出してくるお店もある中、アリーズ・ケバブさんではかなりクオリティの高いナーンを食べられるので、イラン料理に興味のある方は茨城へお越しの際には是非寄っていただきたいお店です。
個人的には、イラン料理店でも窯を導入し、ハラールショップ向けにお店ごとに違う種類のナーンを焼いて卸せば良いのではと思います。
伊勢崎の「マディーナ・カレー・レストラン」や、池袋の「マルハバ」といったパキスタン料理店が取っているのがまさにそういった方式で、私もよく買って帰ります。
この2店のナーンもとても美味しいので、またこちらで紹介したいと思います。
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[お店情報]Ali's Kebab Cafe
茨城県土浦市西根西1-2-20
火曜定休
11:00-23:00
http://www.alis-kebab.com/index.htm